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この経費おとせますか? 

6/25/2024


所要時間:3分



久々の投稿です。突然変なImageを入れてしまいました。これと税理との関係は如何に。。。


****


個人営業 (Schedule C)をされている方から、「これって引き落とせますか?」という質問が多々あります。


「引き落とす」の意味は、タックスを計算するうえで、経費としてDeductできるか、という観点で話を進めますね。


今までご質問に挙げられてきた項目の中から以下の4点を挙げてみました。



Item

事業の内容

用途

A

15万円の絵画

サプリの販売

ホームオフィスにに設置。そのオフィスには顧客は来ない。

B

ガソリンのレシート

不動産業

個人名義で買った車で、個人営業に一部つつかっている

C

お客さんといった野球の試合のチケット

サービス業

Entertainment for client

D

Income Tax (IRSからのレシート)

Form 1040(個人Tax)と事業はSchedule Cにて個人営業として申告

払った税金そのもの

結果は以下です。

米国税制においては:


A-経費として落とせない

B-すべてのレシートは経費として落とせない。

C-経費として落とせない

D-経費ではない。


ルール:Ordinary & Necessary Doctrine    26 U.S. Code § 162(a)


米国税制に於いて、ビジネスの経費を落とせるかどうかの判断に、”Ordinary and Necssary”というルールがあります。


▶Ordinary:その業種に一般的に使われる内容の経費であるかどうか。 例:ケータリング業者であれば、食事を入れる容器、お箸、フォーク、テーブルクロスなど。建設業者であれば、スコップ、つるはしなどでしょうか。


▶Necessary:その業種によって必要である経費であるかどうか。

 例:ケータリング業者であれば、包丁、業務用手袋などは、なくてはならないと思います。建設業者であれば、つま先保護のための鉄板が入った作業靴やヘルメットが必要です。


といっても、すぐに理解いただけるわけがないので、当方が良く例にあげるのは、エキゾチックダンサーさんです。

ダンサーさんは、きらびやかなドレスを経費として引き落とせるでしょうか? 豊胸手術は経費として落とせるでしょうか?


きらびやかなドレスは、ダンサーさんのご職業に必要です。このご職業では普通のTシャツを着て、すっぴんで踊りますか? お客さんが期待するのは、きらびやかな衣装に包まれたダンサーの美しさと動きです。でないと、雇ってもらいないですし、お客もはいりません。結果、お金ももらえません。なので、 Ordinary &Necessaryとみなすことができ、経費として落とせます。 


また、過去の判例から、着るものに関してBusiness Expenseとして認められるのは、普段その服を着られるか? という点でがあります。ダンサーさんの衣装を着て、日系スーパーにいかれますか? 潜水夫があのマスクとドライスーツを着て、ショッピングモールを闊歩できますか?保護靴を履いてデートに行きますか? という点ですね。


先日、米国税理士協会の勉強会が泊りがけでありました。会合後のパーティーに、皆さん、ドレス着てこられました。私はアロハシャツ。。。さて、ここで税理士が着るドレスは引き落とせるでしょうか?


引き落とせないと思います。税理士の仕事にはこのようなドレスは必要ありません。



当方、朝一番の緊急の仕事はパジャマですることもあります。お客様とお会いしたり、Google Meetするときは、さすがにパジャマは着ませんのでご安心してください。



なぜか、「安心してください! はいていますよ!」のノリになってきました。。。




豊胸手術ですが、1994年に、Cynthia HessというエキゾチックダンサーさんがIRS相手に起こした訴えで、豊胸手術のTax Deductionが認められた判例が実際にあります。減価償却という形で経費がみとめられました。ご興味があれば、以下のDocket番号でサーチできるはずですよ。


REGINALD R. HESS AND CYNTHIA S. HESS, Petitioners, v. COMMISSIONER

OF INTERNAL REVENUE, Respondent.

Docket No. 11036-92S

UNITED STATES TAX COURT

1994 U.S. Tax Ct. LEXIS 88; T.C. Summary Opinion 1994-79




「友人からきいたのですが。。」


という前置きとともに質問されることがあります。そのご友人の「アドバイス」はTax Codeに沿っていない場合がほとんどでした。また、日本では、交際費の控除が大きいので、「勇気ある控除」のことを聞いてくる方もいると思います。


しかし、アメリカの税制は、上記のOrdinary &Necessaryです。


話は少し変わりますが、ある医師の方が、知り合いの弁護士から、とある飛行機代は引き落とせる、と聞いてこられ、質問をうけました。結果、私は控除できない、と結論づずけました。その医師の知り合いの弁護士は、ビジネス訴訟の弁護士であって、税制に関する弁護士ではありません。”Tax Home”というここでは言及していない別の税制の基本知識がありませんでした。(Tax Homeは、Business Mileageに関することなので、別のBlogにかいていきますね。)



最初の表を少し変更して、以下のように結論と説明を書きました。ご参考になれば幸いです。


経費

Itemと用途

  結論と理由

A:引き落とせない

サプリの販売。15万円の絵画を自宅事務所に飾った。友人は引き落とせると教えてもらった。

自宅事務所に飾っている。自宅オフィスでお客さんと会わない。事業との関連性がない。個人消費の扱いになる。もし、お客さんと応接する部屋に飾っても、事業との関連性をIRSに対して、事業主さんが示すことができるかどうかにかかっている。

B:記録があれば、一部引き落とせる

ガソリンののレシート:個人名義で買った車で、個人営業に一部つつかっている。。

マイルの記録が必要。一年の全走行距離と、仕事に使った走行距離の割合にガソリン代をかけたものが経費。または、ビジネスマイルにIRSのレートを掛けたものが引き落とせる。

C:不可

お客さんといった野球の試合のチケット

2017年末の税制改正により、Entertaimentはすべて経費としてみとめられなくなった。

D:経費ではない

Form 1040(個人Tax)と事業はSchedule Cにて個人営業として申告したときに払った税金

個人所得税は、経費ではありません。


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