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Green Card 返却年のタックスファイリング
Green Card返却年のタックスファイリング

近年、米国を離れる決心をされる方が増えています。それに伴い、Green Cardの返却に関するご相談も増加しています。

 

以下は、概要を述べさせて頂きます。実際の返却にまつわる書類の作成と返却年のタックスファイリングについては、複雑になります。個人個人の状況も違う為、Websiteでは、説明しきれません。間違った申請を防ぐため、ここでは、IRSのPublicationとInstructionをご紹介し、最小限のコメントを追加するに留めます。

 

以下、概要です。

1.USCISへのGreen Card返却の申請: 移民法関連 (税制ではありません。)
 

USCIS管轄となります。東京のUS Embassy日本語ページのWebsiteに情報があります。提出先は、現在はアメリカのバーモント州にあるUSCISとなっています。

 

過去は在日本アメリカ大使館でも出来き、数年前には韓国に移管されました。その後、また変化があり、現在では、本人様がアメリカのバージニア州の住所に提出することになっています。

  • 提出書類: I-407

  • 提出が受理されると、USCISからI-797C (Notice of Action)が送られてきます。

  • この書類に指示があれば、対応してください。

I-407は移民法管轄ですので、弊社での書類作成は行っておりません
弊社のお客様でGC返却された方は、問題なくI-407を提出されているようです。

尚、大事なことは、以下を必ず保管しておくことです。

  • I-407の提出の日付

  • I-407Copyの保管 *サインがあるものが望ましい。

  • 米国に郵送したときの受領記録を保管しておくことです(Fedex, EMS, OCSでの送付が望ましいです。)

  • I-797Cの書類は、税制上の問題が後から出た場合、有効な書類とはなりません。

 

2. GCの返却年のタックスファイリング

Dual Statusまたは、​Full Year resident​でのファイリングとなります。

詳しくは、Publication 519にあります。または、Tax regulation 26 CFR § 301.7701(b)-4 - Residency time periods にあります。

 

General Ruleに当てはまれば、Full Year Residentでファイル。Exceptionの

Green Card Testが適用できるのであれば、Dual Statusとしてファイルした方が有利な場合があります。

IRS WebsiteにResidecy Ending Dateの事がかかれていますのでご参考にしてください。

3.Form 8854(Initial and Annual Expatriate Statement)

Form 8854の作成が必要であるかをInstructionで判断し、必要であれば、作成し、Tax formへの添付と、IRSの別の部署にも送付します。詳しくは、Form 8854のInstructionをご参照ください。

  • 1Page目の”Who must File”をご覧になれば、Form 8854が必要かどうかが分かると思います。
     

  • Initial とAnnual ファイリングは内容が異なります。初めての方は、まずInitial Filingが必要かどうかを確認してください。
     

  • "LTR"の定義は、Page 1の一番右のコラムにありますので、GC返却の方は、ご自分がLTRに該当するかどうかをご確認ください。
     

  • CitizenshipとGreen Cardは違う扱いになりますので、GC返却の方は、Citizenshipが該当する記述は当てはまらない場合がありますので、ご注意ください。
     

 

Form 8854で必要な情報は以下です。

  1. Long Term Resident(LTR)でいた期間 

  2. GC返却日の前日に於けるバランスシート 

  3. GC返却前の全世界の収入とAve. Income Tax Liability 

  4. 返却後のアメリカとかかわりのある収入等 

  5. 過去5年間、きちんとタックスをファイルしていたか

 

が挙げられます。

以下、注意点です。

Long Term Resident(LTR)の判断の注意点

Form 8854 Page1, 右のコラムにある定義です。

You are an LTR if you were a lawful permanent resident of the United States in at least 8 of last 15 years ending with the year you are no longer treated as a lawful permanent resident.

この”in"​という言葉が重要です。GC取得の日から日数で数える年数ではなく、GC取得の年と、離脱の年を入れて、GC保持が8年である方が対象となります。

<例1>

2023年3月の現在、GCをお持ちで、GC返却をお考えの方は、2016年の間にGCを保持していれば、Long Term Residentに該当します。

Year 1 2023

Year 2 2022

Year 3 2021

Year 4 2020

Year 5 2019

Year 6 2018

Year 7 2017

Year 8 2016

<例2>

2022年中にGCを返却されたかたは、2015年にGC保持者であれば、LTRとなります。

Year 1 2022

Year 2 2021

Year 3 2020

Year 4 2019

Year 5 2018

Year 6 2017

Year 7 2016

Year 8 2015

Income Tax Liability

        過去5年のNet Income Tax Liability

    Form 1040 Line 16(2021, 2022 tax、そのほかの年は、Tax Formをご覧ください。) 
   Less: Credits(CTC, FTC..)

   But before:SE Tax, NIIT, Add medicare tax, Houshold employment tax

   過去5年のの平均

 

上記の情報を踏まえた後は、”Covered Expatriate”であるかどうか、の判断をする必要があります。

Covered Expatに該当する方は、現在お持ちのRetirement, Pensionその他の資産に関してのTax Filingが必要となります。ここでは説明を割愛しますが、GC返却・米国籍離脱をお考えの方は、離脱の5年まえに、計画をあらかじめされることをお勧めいたします。

本件に関するご質問は、有料となってしまいます。内容によっては、Tax LawyerにReferする状況の方もいらっしゃいます。こちらよりご連絡ください。

4. GCの返却年のタックスファイリングをしないままでいたらどうなるか?

 

まず、Form 8854をファイルする必要があるかどうかを判断していただき、最後の年のタックスファイリングをする必要があります。また、Covered Expatに該当する方は、準じたタックスファイリングが必要です。

Form 8854関連の未申請には、$10,000の罰金が科せられます。

 

Form 8854が必要無い、という判断となっても、最後の年のTax Filingは行ってください。

この点は、移民法とは違いますのでご留意ください。

 

”Covered Expatriate"の判断は、Form 8854のInstuructionにあります。
 

Covered expatriate.

 

You are a covered expatriate if you expatriated after June 16, 2008, and any of the following statements apply.

 

  1. Your average annual net income tax liability for the 5 tax years ending before the date of expatriation is more than US$178,000.

  2. Your net worth was UUSD$2 million or more on the date of your expatriation.
     

  3. You fail to certify on Form 8854 that you have complied with all federal tax obligations for the 5 tax years preceding the date of your expatriation.

”Covered Expatriate"の人が、Form 8854をファイルしない場合のペナルティーは、$10,000と書かれています。

5. GCの返却年のタックスファイリングをしないままでいます。

    アメリカに再入国はできますか?

本質問は税制から離れますので、米国移民弁護士さんにお尋ねください。 弊社から紹介できる日本人移民弁護士はいらっしゃいます。

6. GCの返却後、Tax document(F1099, F1042Sなど)が送られてきた。
今後もファイルの必要はあるか。

はい。ファイルをししてください。こちらがIRSのWebsiteです。たとえTaxの支払いが発生しなくとも、Non ResidentであることをIRSに通達するのがTax Filingとなります。アメリカからのRetirement関連などの収入は日米租税条約がかかわってくると思います。Spintax, Glacier などのNon Residentに対応しているSoftwareをお使いになるのも手ではないかと思います。難しければご依頼ください。

7. W8BEN

移民法とは違い、税制では、F8854、またはF1040/1040NR+F8854をファイルして初めてNon Residentとなります。その時にW8BENを各機関に提出すればよい、が弊社の見解です。

W8BENは3年毎に提出してください。

結局、アメリカとはなかなか縁が切れないのかもしれません。

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Form 8854、または、Section877の目的は、高額な資産や収入があるアメリカ市民が米国外へ”逃げる”後を追いかけて徴税しようというものです。

発端は、1960年代にさかのぼります。当時、最高税率が91%(ケネディ政権)、70%(ジョンソン政権)の時から富裕層がタックスヘブンに逃れて、米国の租税を回避しようとしたスキームに課税し始めました。その後変遷、税制改正を経て、GC保持者も含めて、内容も変わってきました。

 

Form 8854と最終のタックスをファイリングを避けたい、という意図の場合のご質問は、IRS規定に反するもので、残念ながら、対応はできません。

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