アメリカ税制解説
寄付について  その1     Donations

寄付は社会への貢献、人助け、聖書にある規律としてアメリカ社会で重要な意味を持ちます。

ここでは、税制上の注意を説明いたします。

I. 控除できる寄付かどうかの確認

 

1.寄付金は、米国税制の控除項目の中の項目別控除(Itemized Deduction)を適用できる場合において、控除項目として追加できます。

       項目別控除 (Itemized Deduction):基本控除額を超える控除項目の合計 

                     例: 住宅ローン金利、固定資産税、州税、Sales Tax,寄付金、高額医療費(ハードル10%)、

          従業員のビジネス経費、仕事探しの費用(ハードル2%)*詳しくは控除について、をご覧ください。

 

2.寄付金は基本控除への追加はできません。従って、寄付金をして、領収書があるからといっても、それがそのまま控除に結び付かない場合がありますので、ご注意ください。
 

3. 寄付金などが控除対象となるには、他の控除対象項目(住宅ローン金利、固定資産税など)を積み上げて、その合計がStandard Deductionの金額を超えた場合、初めてItemized Deductionとして適用できます。(重複となりますが、別のいい方に変えています。)

3.項目別控除へのステップに行くために超えるべき基本控除額は以下です。

 

       基本控除額 (2017年)        12/2/2017 上院通過した新しい控除額
        Single                           $  6,350  -> $12,000
        Married Filing Jointly        $ 12,700 -> $24,000

        Married Filing Separately  $   6,350 ->情報収集中

        Head of Household           $  9,350 ->情報収集中 

4. 換言すれば、寄付金をどうしても控除したい場合は、基本控除は使えません。寄付金のみを控除ということになりますので、全体の控除額が減り、結果として減税になりません。むしろ、基本控除を使ったほうが税制上有利になります。

​                

例:寄付金$250を控除したい場合:夫婦合算でファリングする場合は、基本控除は2017年で$12,700の控除があります。寄付金$250だけですと、課税収入の減額が$250だけとなり、基本控除$12,700-$250=$12,450まるまる控除できず、課税収入が$12450上がってしまう、という結果となります。

 

5. 寄付する団体はアメリカの税制において定められた”Non-Profit"のExempt Organization に限られています。日本の組織への寄付は控除対象にはなりません。 Non Profit で、税制の501(c)(3) OrganizationsとしてIRSより認定を受けた団体のみです。 以下のIRSのサイトにて検索できます。
 

       Exempt Organizations Select Check

6. 控除対象にならない団体の例 

 -アメリカ国外の団体 

       例外:米国外でも、税制の501(c)(3) Organizationsとして認められているもの。例えば、米軍基地内の教会、アメリカの正規大学の日本支部など(Temple University, etc.)

 - 政治献金 

   - 個人への寄付 

教会等で”Designated Offering"として、ベネフィットの受領者を指定する場合は、個人への寄付としてみなされるので、控除対象にはなりません。

 

7.控除ができるかどうかは、寄付される団体に「税制の501(c)(3) OrganizationsとしてIRSより認定を受けた団体」かどうかをまずお問い合わせください。
 

8.テレビやラジオのコマーシャルで、「この寄付はTax Deductibleです。」と聞かれたこともあると思いますが、厳密には正確な表現ではありません。Standard Deductionの金額を超えて初めて控除できるものなのです。「寄付をして、Tax Creditをもらいましょう。」は実は大間違いです。正確にはCreditではなく、Deductionです。

 

*寄付に関しては、いろいろなお考えがある方がいらっしゃいます。控除できるから寄付する、控除できなくても寄付する、などお一人お一人の気持ちと経済的理由も絡んできます。ここでは、ドライに税制に沿って説明させていただいています。

控除できる寄付金・寄付の物品がある、という方は「寄付について その2」をご覧ください。